タイ人は「す」と「つ」音に弱いです。「ず」音に至っては発音できません。動物園を英語ではZOOと言いますが、タイ式にはスーと発音します。日本語が堪能なタイ人でも象(ぞう)という日本語を、「そう」と発音します。先日社内で、タイ人スタッフが、ZUZUKIと書いていたので、確認すると、すすき、どうやら、鈴木さんのことだったということがあります。私はコンサルティング業ですので、同業他社のタイ人のFacebookやブログを見ることもありますが、職業をConcultigと間違っているケースの多いこと。綴りの間違えを笑うのではなくて注目したいのは間違っている部分がS音部分であることです。あと、タイ語はS音で終わる単語がないので(BTSくらいですかね)、FAXはファックと発音しますし、HOUSEはハウになりますし、SEXも節句になるといったような感じです。ซ(so)とかช(sho)とかタイ文字でもS音表記はできるんですがね。
タイ語を笑いましたが、日本語を母国語とする日本人の発音もひどいものです。あいうえお・・自体が、母音と子音がセットになっているものですので、子音だけで発音することが多い言語(日本語以外、タイ語も然り)だと、カタカナでは表記しきれないですね。たとえば英語の発音で、強い、STRONGという子音だらけの英単語を発音するのに、カタカナ表記だと、ストロングと母音を5ツも使って表記してしまいますよね。ス・ト・ロ・ン・グと発音したとたんにそれは日本語になります。これと同じことがタイ語でも起きます。というか、タイ語は子音だけの発音ばかりですから、カタカナで覚えると母音が余計なんですね。ありがとうは、タイ語でขอบคุณครับ(コープ・クン・カップ)ですが、カップのプ音は、口を閉じるだけで、Pu音ではなくてP音なので、日本語のプで発音したとたんに違った音になります。
日本語を母国語とする人、私がそうです、だと、よく指摘されるL音とR音の問題は序の口で、実際、P音とPH音、K音とKH音、S音とSH音など無気音と有気音の違いもできないですね。パン(phan)とジャムパン(jyampan)、貝(khai)と司会(shikai)など、実際は微妙に違う音を同一に考えてしまいます。あと日本語の弱点というか特色で、G音とN音とJ音、鼻濁音と摩擦音と区別なく「ん」で表記してしまうとか、Yi音とI音、Wu音とU音、Fu音とHu音、Zu音とDu音、Cha音とJa音、Ti音とChi音などもう区別などする必要性も感じず聞いたり、同じに聞こえたりしてしまいます。このように、日本語を母国語としない人は区別している発音を日本人は区別できないことがしばしば、それを棚にあげてタイ人の英語が変だ、日本人の英語が変だ・・・とお互い笑いあっているというのが実情なようです。それにしてもタイ人のS音下手は参ったもんだよなと私は職場で言ってますが・・
最後にひとつ有益な情報を。ビジネスビザの申請で、卒業証書の提出があり、ひとつ面白いトラブルがありました。依頼者の名前は、大島さん、大橋さん、そういう名前だったのですが、出身校が出した卒業証書を見ると、Ohshiama、Ohhashiとなっていたのですね。ところが依頼者のパスポートの名前のローマ字表記を見ますと、Oshima、Ohashiと、大の字がOhではなくOとなっていました。担当官の審査の結果は、「これは別人の書類」とのことで、書類不備扱い、申請のやり直しとなりました。日本語の発音だと同じなんですがねえと依頼者。そう、同じに聞こえてしまうのですが、違うんです、発音が。自覚していてもつい無自覚になって、こういった落とし穴に嵌ることもあります。